時は移ろい 時はつづく

文月。梅雨の晴れ間。月日が経つのは本当にあっ!という間・・。

何だか目まぐるしい日々を過ごしていたのですが、つれづれに記録を。

 

個人的にはここのところ、旧友に会ったり、懐かしい場所に行く機会が多く、

時が経ったという感覚と、まだこれから続く、という感覚が交錯しています。

 

その中の一つ、先週の4日木曜日の、13年ぶりの中原仁さんのブラジル音楽講座。

本当に久しぶりの新宿住友ビル!であったにもかかわらず、憶えているものです。

そして、仁さんの美声で語られるブラジル音楽の歌詞の魅力。ああ、懐かしい。

 

第1回目のこの日は、リオからサンパウロ、バイーア、ペルナンブーコ、ミナスと、歌詞から見えるブラジルの風景を映像とともに追っていくという内容でしたが、とても有名な曲でも、なかなか自分で唄う機会がないものも多く、細かい歌詞の内容があらためて勉強になりました。ブラジル音楽の歌詞は本当に本当に奥深く、私もこれからもっと掘り下げて追っていきたいテーマです。アフターは、仁さん&旧知の皆さんと、渋谷bar blen blen blenへ。こちらも本当に久しぶりで、嬉しかったなぁ。またゆっくり行きたい!

 

写真上段の左は、最近手にしたブラジル関連の本で、一つは『大蛇のすむ森 私のアマゾン』というタイトル。アマゾンに移住して50年になる陣内すまさんという方の著で、アマゾンの神話や魚料理が(レシピではない)現地で生まれ育った方の素敵なイラストともに紹介されていて、絵本仕立ての内容。ここのところDori CaymmiやGuingaの楽曲の歌詞から、こちら方面へのインスピレーションが何故だかとても強く、これ以外にも図書館へ行けばアマゾン関連の本を斜め読みしている昨今です。そして、もう1冊は、人類学者レヴィ=ストロースと今福龍太さんによる『サンパウロへのサウダージ』。それぞれ時代の異なる二人の人類学者によるサンパウロのモノクロ写真とテキストで構成されているもの。大学時代、文化人類学色の濃い学部だったので、このあたりのテーマはとても興味深いのですが、あらためて『悲しき熱帯』も今の感性でじっくり読みたくなりました。歌詞から追っていくイマジネーション、できるだけ思考が泳いでいくものを追いかけたいのだけれど、時間とも相談しないと...笑。

 

下段真ん中は、最近リリースされたTeco Cardoso(先日のGuinga公演でも来日していた管楽器奏者), Swami Jr(昨年、渡辺貞夫さんツアーでも来日), Bebe Kramerのアルバム。アコーディオンと7弦ギター、フルートやサックス等のTrioで演奏されるインストゥルメンタル・ブラジリアンミュージック。名手揃いということもあって、本当に上質です。曲も、アレンジも、演奏も、洗練されていて。彼らはブラジル音楽だけではない、世界レベルのユニヴァーサルな感覚を持った人たちなので、楽曲にも演奏にも、そんな感じが顕れています。これからさらにじっくり聴きこんでいきたいところ。

 

下段両脇はオマケです、笑。左がラデュレLes Merveilleusesのトロピカル・ボディパウダー。普段は滅多に買わないシロモノですが、『南国の鳥』と言われたら、何だか惹かれてしまう今日この頃。誕生日が近いことにかこつけて、梅雨のジメジメのお供に、ささやかに癒されています。右側は、先日すっかり結婚記念日を忘れていてプレゼントされた『ブルースター』というお花。ブラジル南部原産だとか。しかしお互い1か月以上忘れていたなんて、時の流れは何とやら。無事に続いていきますように、笑。

 

そして最後に。7月6日は誕生日だったのですが、ブラジルの偉大な音楽家、ジョアン・ジルベルトの命日となってしまいました。それこそ15年ほど前に、国際フォーラムで聴いた生声とギター、あの音楽の温度と湿度を今でも憶えています。私にとっては"Bossa Novaの神様"という以上に、一人の音楽家・アーティストとしてのピュアな姿勢に感服するしかない存在でした。真似をする気にもなれないほど、唯一無二の存在。Sambaを自分なりに表現して、体現した人。とても遠くに光るきら星のような人。アントニオ・カルロス・ジョビン、ヴィニシウス・ヂ・モラエスとともに、本当にお星様になってしまった。どうぞ安らかに...。