Guingaのアルバムについて

雨、よく降りますね・・。来週半ば頃には関東も梅雨明け?

というお話もありますが、来週末には明けていてほしいものです。

 

Guinga特集Live, 来週末7/27(土)です!気づけばあと10日ほど。

今日は、私の好きなGuingaのアルバムをご紹介したいと思います。

 

ご存じない方のために:Guingaはブラジル、リオ・デ・ジャネイロのギタリスト/作曲家で、現在69歳。現代ブラジル音楽を代表するアーティストの一人であり、その独特なメロディ・ハーモニーの感覚は一聴して不思議な魅力に満ちていながらも、ブラジル音楽(特に北東部音楽やサンバなど)はもとより、クラシック/室内楽やジャズなど(Heitor Villa-Lobos, Cole Porter, Barney Kessel, etc.)の古き佳き流れを汲みつつ、詩情溢れる独創的な世界観を持つアーティスト。歯科医との二足の草鞋で1970年代以来活動してきた、という特異な経歴の持ち主でもあります。今年4月には念願の初来日コンサートも東京・大阪・山形で催されました。その際にスタジオ・レコーディングされたアルバムが今秋発売予定で、来年も来てくれるかしら?と期待が高まります。。

 

さて、本題。まずは上段左、"Francis e Guinga"(2013)。同じくMPB(Música Popular Brasileira)の盟友Francis Hime(piano/vocal)と2人だけで、お互いの曲をお互いの唄とピアノ/ギターだけで綴った、素敵な一枚。シンプルだからこそ、楽曲の良さと二人の温かいヴォーカルが映え、とても慈愛の満ちた仕上がりに。眠る前やリラックスタイムに聴きたい、優しい音楽です。

そして上段中、"Porto da Madama"(2015)。4人の歌姫(米国のEsperanza Spalding、イタリアのMaria Pia de Pito, ポルトガルのMaria João, ブラジルのMônica Salmaso)がGuingaのギターだけで唄う、ただただ静謐で、別世界に連れて行かれるような作品。こういう、現実と非現実のあいだで漂うような雰囲気が、Guinga独特の世界観だと思います。

 

上段右は"Delirio Carioca"(1993)。バラエティに富んだ楽曲は名曲揃い!ギターは勿論、管楽器や弦楽器を贅沢に起用した演奏やアレンジも秀逸。Guingaの魅力をたっぷり味わえる名盤のひとつだと思います。このジャケットが彼の世界観を暗示するよう。

 

中段左は"Cine Baronesa"(2001)。MPBの重鎮、Chico Buarqueが1曲ヴォーカルで参加!Guingaは彼をリスペクトしていて時々客演してくれているのが嬉しいのです(また新たなコラボレーションも聴いてみたい!)。ギター4重奏のQuarteto Maoganiも、素敵に曲を彩っています。こちらもバラエティ豊かですが、個人的には古き佳きJazzの影響を感じる楽曲が好きです。

 

中段真ん中は、"Noturno Copacabana"(2003)。コパカバーナの夜の風を感じるような、小粋な作品。ギターとベースのアコースティックな感じを基調としながらも、管楽器の贅沢なアンサンブルとアレンジが光る、上質なサウンド。でもバランスがとれているので聴きやすいというズルさ、笑。こちらも本当に名曲揃いで、今回7/27のLiveでもこのアルバムから多めに演奏の予定です。

 

中段右は"Avenida Atlantica"(2017)。こちらは弦楽四重奏の"Quarteto Carlos Gomes"との共作盤。私は彼らを知らなかったのですが、とにかく畏ろしく美しいストリングス(録音の妙もあるのでしょうか)。Guingaの楽曲の美しさと相俟って、胸がゾクゾクするような音楽。これは生で聴いたらもっと素晴らしいでしょうね。アレンジはQuarteto MaoganiのPaulo Aragãoさん。

 

下段左は"Cheio de Dedos"(1996)。このアルバムで、Guingaのギタリスト/作曲家としての凄さがわかった気がします。インスト曲中心ですが、Chico BuarqueとEd Mottaという素晴らしいアーティストが2曲で唄っているのも嬉しいアルバム。

 

下段中は"Intimidade"(2017)。イタリアのJazzピアニストStefania Talliniとの共作第二弾で、こちらは彼女のピアノとGuingaの唄がfeatureされたアルバム(ギターは1曲のみ)。曲は、何故かアルバム"Porto da Madama"の収録曲が殆どで、Guingaのオリジナル曲は2曲、あとはブラジル曲のカバー。Stefaniaのピアノは欧州的耽美が漂っているのですが、不思議とそこにもGuingaの声・世界観は溶け込んでいます。StefaniaがGuingaの世界観をよく理解した上で自身の世界観を織り込んでいる感じなので、とっても素敵なコラボだと思います。Guingaの唄が大好きな私には、彼の唄が堪能できるのも嬉しいアルバム。

 

下段右はブラジルの歌姫Mônica Salmaso名義の"Corpo de Baile"(2014)。Guinga作品をこよなく愛し、彼の音楽の最高の理解者だとGuinga本人もお墨付きの唄い手で、今年4月にも一緒に来日、素晴らしい唄を聴かせてくれました。このアルバムは、Guinga本人は参加していないのですが、GuingaとMPBの偉大な詩人Paulo César Pinheiroとの共作曲を、未発表曲含めて自身で掘り起こして録音したという力作とあって、とてもノーブルな仕上がり。GuingaとPaulo César Pinheiroのコラボレーションは本当に美しく、私もGuinga作品の中でいちばん好きなのですが、二人はあるきっかけから仲違いしているようで、新曲はなかなか聴けないというのが現状のようです。そういう意味でもMônicaの色々な想いが込められているのかなと思います。上の写真には載っていませんが、もう一人のGuinga作品のinterprete(解釈する唄い手)、Leila Pinheiroのアルバム"Catavento e Girasol"(1996)は、Guingaともう一人の共作パートナー/詩人、Aldir Blancとの共作集。そちらも併せて聴くと興味深いかもしれません。

 

さて、「私の好きなGuinga」、私自身はどんなふうにGuingaを表現できるでしょうか。。難曲も多く、僭越ながら、とても楽しみです。不思議な魅力に溢れるGuingaの楽曲を、彼を愛するブラジル音楽&7弦ギターの凄腕エキスパート・尾花毅氏と、人間の"声"に近い魅力的な音色を持つフルーティスト・満島貴子さんと私の3人で、たっぷりとお届けいたします。土曜の午後、横浜を散策しながらいかがでしょうか(横浜駅から地下鉄ブルーラインで1本です!)。皆さまにお会いできるのを楽しみにしております♪

 

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■2019/07/27(sat)

Kayo + 尾花毅 + 満島貴子 Trio Live
@横浜 Sound Space 吉野町三丁目

 

Kayo Kamishima(vocal)

尾花 毅(7弦guitar)

満島 貴子(flute)

 

17:00open/17:30start

Music Charge: 2,500yen

(飲食の提供はございません。

どうぞお持ち込みください。)

 

Sound Space吉野町三丁目

  横浜市南区新川町4-26-63

  市営地下鉄ブルーライン「吉野町」徒歩1分

  京浜急行「南太田」駅 徒歩8分

 ご予約はMail: kayokamishima@yahoo.co.jp まで

 [お名前・人数・お電話番号]をお知らせください。