10/22(土)、横浜・黄金スタジオ[キッチン]での
Kayo Kamishima&尾花毅 Duo Live、無事終了しました。
お越しの皆さま、本当にありがとうございました!
今回はLive直前に色々なハプニングがあり、無事開催できるの??と
ご心配をおかけしましたが、お店のLive開催場所も新たな展開として
当面は黄金町高架下のアートスペース「黄金スタジオ・キッチン」に
移動となり、8弦ギター尾花さんは10日ほど前に肋骨を5本も骨折するも、
それを殆ど感じさせないパフォーマンス!毎回恒例のソロギターでの
新曲も、「肋骨5本骨折記念で、5拍子」の曲(しかも結構な難曲)を
披露。内心ずっと心配ではありましたが、思ったよりお元気そうで
何よりでした(ギターを弾いている時が一番楽というのが尾花さんらしい・・)。
初めて訪れた黄金町はかつてdeepなエリアだったと聞いていましたが、駅から近い黄金スタジオ[キッチン]では川沿いから歩いていくとあまりその面影を感じることもなく、高架下のスタジオは日替わりのオーナーさんが自由に表現できそうな余白のあるハコ、でした。演奏中に電車が通っていく音も、私には心地よく、いい効果音として響いて。。
今回の選曲は、特に縛りやお題を設けずに「今」の気分で自由に選んでみました。尾花さんとのDuoアルバムの曲も、
また自然に入ってきて、演奏すると落ち着きます。Duoでは久しぶりに演奏した曲、も多めでした。Joyceの"Mistérios"や、
Chico Buarqueの"Olhos nos Olhos", "João e Maria", このDuoを始めた6-7年程前によく演奏していたショーロの名曲
"Odeon"のフランス語版や、来週お誕生日を迎える&もうすぐ引退ツアーがフィナーレを迎えるというMilton Nascimentoの
"Encontros e Despedidas"(出会いと別れ)と"Travessia"もお久しぶりでした。この2曲は私にとって特別で、あまり
感情をこめて唄うと必ず泣きそうになるので、「気持ちをこめて、でもこめすぎないように」するのが大変なのです、笑。
ちょうど高架下の電車の音が聴こえるのが、ぴったりなシチュエーションとなりました。尾花さんのギターもドラマチックで。
最後にアンコールをいただいて演奏した"Travessia"については、作られた当時ブラジルは軍事政権だったこともあり、
「これは軍政批判の歌詞だ」という見解もあるようですが、ライナーノーツやMiltonの伝記にも書かれているこの曲の
作詞エピソードを読むと、当時全く作詞経験の無かったフェルナンド・ブランチに「この曲の詞は君にしか書けない」と
Miltonが依頼して、その後何とか書いた歌詞を恥ずかしそうに渡したとか・・それを想うと、何だか私には軍政批判というより
そして単なる恋愛(失恋)というよりも、生きることそのものの"Travessia(航海)"、を唄っているように思えるのです。
伝記に書かれている「大切なのは出発することでも到着することでもなく、航海(トラヴェシア)することだ」というMiltonの言葉が、
とても今響いてきて・・人生の色々なフェーズでこの曲を唄いたくなります。色々あるけど、まだ旅は続いていくのよね、と。
ブラジル音楽を唄うようになった初期の17年ほど前?から唄っている曲ですが、まだまだ表現を育てていきたいものです。
主宰の"Yuuhoh Space"/Rafaelさんがブラジルのベレンご出身ということもあり、この日もお昼間からブラジル北東部の音楽
フォホーのLiveイベントが開催されていて(知り合いのミュージシャンの方にも何人かお会いできました♪)、アマゾン料理
なども。でも私はこの日何だか久しぶりにFeijoadaが食べたくて、カイピリーニャとフェイジョアーダという王道のメニューを
いただきましたが、これがまた美味しい!Rafaelさんも奥さまもお母さまも、気さくで人間味溢れる方々なので、またぜひ
会いに、美味しいお料理とお酒をいただきに、勿論Liveイベントでも!またご一緒できたらと思っています。
これからYuuhoh Spaceさんは「旅をしながら」色々な場所でブラジルをテーマにイベントを企画されていくようで、
今後の展開も楽しみです。私も今はゆっくりですが、また少しずつペースを上げて私なりの音楽の旅を続けられたらと・・。
ともかく次回のLiveは11/23(水祝)、今年の2月に出演以来の蒲田エスパッソ・ブラジルにて初トリオ!です。
ピアノ永見行崇さんも、ドラム斉藤良さんも、本当に素晴らしいプレイヤーです。おそらく今回とはまた違う
雰囲気のLiveになると思いますが、これからまた楽しみに準備を進めていきますので、どうぞお楽しみに♪
◾️2022/10/22(sat) Set List
Kayo&Obana Duo Live@Kogane Studio [Kitchen]
::::: 1st set :::::
(1)Rosa/Pixinguinha&Otavio de Souza
(2)Mistérios/Joyce&Mauricio Maestro
(3)A Noiva da Cidade/Francis Hime&Chico Buarque
(4)Olhos nos Olhos/Chico Buarque
(5)The Nearness of You/Hoagy Carmichael&Ned Washington
(6)Encontros e Despedidas/Milton Nascimento&Fernando Brant
(7)Outono/Billy Blanco
(8)Odeon(French)/Ernesto Nazareth&Georges Moustaki
::::: 2nd set :::::
(9)Eu Que Não Sei Quase Nada do Mar/Ana Carolina&Jorge Vercilo
(10)Expresso2222/Gilberto Gil
(11)Chiclete com Banana/Gordurinha&Almira Castilho
(12)João e Maria/Sivuca&Chico Buarque
(13)Caminho das Águas/Rodrigo Maranhão*
(14)Estrada Branca/Antonio Carlos Jobim&Vinicius de Moraes*
(15)Takeshi Obana Original Solo Guitar (新曲)
(16)Alguma Voz/Dori Caymmi &Paulo César Pinheiro
[Encore]
(17)Travessia/Milton Nascimento &Fernando Brant
*お客さまでいらしたヴァイオリンのオコシエリコさんが、歌心あるヴァイオリンで
この2曲をご一緒してくださいました。ありがとうございました♪
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