André Mehmari ブラジル音楽workshopへ

昨日はお久しぶりのエスパッソ・ブラジルさんにて、ブラジルの

素晴らしいピアニスト、アンドレ・メマーリさんのWSに参加しました。

 

いつもLiveで唄わせて頂いている名曲"Vento Bom"は彼の作曲で、

私のアルバムにも入っている"Alguma Voz"(作曲はDori Caymmiさん)は、

彼とマリア・ベターニアさんの本当に素晴らしい演奏を聴いて大好きになった曲です。

(この曲いい!と思わせる解釈や演奏、というのは私自身いつも目指すところです)

 

今回お店のスケジュールでお名前を発見した時には本当にビックリ!して、即予約させて頂いたのが数か月前。この日をとても楽しみにしていました。

 

オーナー山下さんとはサンパウロで知り合い、昔からのご縁があるというアンドレさん。

生ピアノでないことは承知の上でしたが、それでも彼の音楽的アイディアは素晴らしく、Tango Brasileiro/Maxixeから始まり、Choro, Samba, Bossa Nova, Baião, Frevo, Marcha-Rancho, Maracatu, Gaucho/Chamame, Chico BuarqueやMilton Nascimento, Edu LoboなどMPBの作曲家、Moacir Santos, HermetoやGismontiなどのインスト音楽など、ありとあらゆるブラジル音楽を、麗しいアンドレ節で終始(即興的に)弾きながら、わかりやすいポルトガル語で説明してくださって(近藤健さんの同時通訳も丁寧でとても有難かったです!)。

 

こういうワークショップは説明する人の解釈や視点の違いがまた面白いところでもあるのですが、彼の場合はブラジルの現役かつ一流のアーティスト。どんなリズムで弾いても彼自身の解釈が美しく反映されてくるところが特別なLiveを聴いているようでもあり、しかも鍵盤のすぐ隣で聴かせていただいて、すごく贅沢な時間でした。アタマの中で色々な情報が点として存在していることが、こういうワークショップで繋がったり立体的に浮かんできたり腑に落ちる瞬間があって今回も収穫だったけれど、やはり彼の言うとおり「とにかくポルトガル語を理解して(言語と音楽の結びつきは強いから)、ブラジルへ行って、五感で"感じる"こと」。そして「沢山のミュージシャンととにかく沢山演奏すること!」これに尽きるのでしょうね。最後に仰ったことがまた印象的で、「ブラジルはミクスチャーの国で、純粋なブラジル音楽というのは存在しない」ということ。私も、ブラジル音楽の背景を色々知れば知るほど、それを感じていました。(勿論ブラジルの豊富な自然/Naturezaがもたらすインスピレーションはあると思う、と質問を受けて最後に仰っていましたが)そこでやはり"ブラジル"を追究するか、あくまで"自分の音楽"を追求するのかは、人それぞれでしょうけれど。。

 

今回ワークショップでもお話に出た写真のアルバム"Canteiro"は、メマーリさんが「うた」に焦点を当てた壮大な作品。

(同席した方に20年ほど前?と言ってしまいましたが、12年前でしたね。もう時間の感覚もかなりざっくりなお歳頃・・)

初回盤は装丁も本当に素敵で、訳詞も丁寧に掲載されています。こんなふうにご自分のcanção/唄を届けられるなんて、素敵。

周りの方の彼の音楽に対する深い理解と愛情、そして彼自身の音楽的才能と情熱があってこその、丁寧なクリエイションに憧れます。

彼はありとあらゆる楽器を演奏できて、色々な編成やスタイルで音楽をしているけれど、やっぱり唄に寄り添うピアノや、

ご自分のソロ演奏で繰り広げられる豊かな"うたごころ"に私は惹かれてしまいます。唄い手ですからね。。

 

明日のソロLiveは満席のようですが、千葉でもまだホール演奏があるとか。お近くの方はぜひ!

そしてまた次回来日の際は、あらためてゆったり、ピアノ演奏を堪能できますように。

アンドレさん、Muito obrigada! また来てくださいね♪